ノトニクル

ノトがベトナムのどこかをうろつきます。

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管理職とプレーヤーの狭間で 〜解決編

   

前回悩みの記事を書いたら、ありがたいことにいくつかの助言をいただいて、また私の中で熟考しているうちにある一定の答えを見つけました。数年経ってまた状況が変われば違う視点を持つだろうから暫定的な答えかもしれない。でもこれが今の私なりの答えです。備忘録として、また同じような現場上がりの管理職に苦痛を感じている若手管理職に、私なりの見解を共有したいと思います。

まず、母体を大きくする、つまりチームビルディングするということの目的は、前記事にも書いたように、母体を大きくすること自体がお客さんの信用獲得につながるし、加えて面白い&獲りたい仕事を獲るための前提条件になる、ということは私の中ですごく腹落ちしました。私はお客さんが何より大事ですから、お客さんのためなら結構なんでも、かなり背伸びしてすら頑張れる。だからチームビルドによって新しいお客さんを得たり、既存のお客さんにより大きな価値を提供できる機会を得られるなら、チームビルド自体が私にとって有意義である、というように考えるようになりました。

そしてもう一つ大きな思い込みに気づいたのですが、前記事を書いた時、私は「チームを大きくするために人間性を改善しなきゃいけない」ということを上司に言われ、それを無意識的に、”私の現在のパフォーマンスの否定”というふうにとっていたことに気づきました。なぜかというと、「あなたがハイパフォーマンスを出すのはもういいから、チームビルドしろ」という言われ方をされたからですね。そこでボタンを掛け違えた。だから、チームビルドに対する強い拒否反応が起きた。

でも本当にそんな意図だったろうか、他に意図があったのではないかとも思い、上司の発言の意図を注意深く検討してみました。私なりに信頼の置ける人達と話をして助言もらって、あの上司の言葉はこういう意味を内包しているじゃないか、こうも捉えられるんじゃないかというのを考えてみた。(信頼関係のある上司だし。)それで私として都合の良い解釈を見つけて、当分これで自分的に意義を持って納得してチームビルドが出来ると思えるものが見つかった。上司の意図が多少違ったとしてもゴールは同じだし、何より私がやる気を出すための意義を見つける事が重要だからそこは気にしていない。

『上司は実はこういう意図で言っていたかもしれない』一覧、以下の通り。

「あなたの個人のパフォーマンスはもう十分すぎるほどよくわかっている。今度は新規のお客さんや既存のお客さんに、あなたの持っているスキルをより広い範囲で提供するために、その土台(=チーム)を作らないか」

「もしそれに合意するなら、土台づくり、つまりチームビルドには、”前線での狙撃能力”以外に、”他人を自分になびかせ操る能力”が追加で必要になる。その能力を体現する1つの有効な手段として、多様なタイプの人間の話を定期的に聞き、相談に乗り、解決策や方向性を示す、”会話”という手段がある。”土台づくり”にはその”会話“を実行することが多くの場合不可欠である。だからもしあなたがその”土台づくり”を実施したいのであれば、”会話”を自分のアクティビティに盛り込む必要がある。」

「土台づくり(チームビルド)はデリバリー(狙撃)とは別のスキルであり、むしろロジスティクス(兵站)である。多くの場合、キャリアの特定のタイミングで新規で身につけなければならない能力である。そしてそれはデリバリのスキルと比較され、優劣つけられるものではない。同様に、デリバリの実績を否定するものでもない。」

「土台づくりをすることがすぐに現場を離れるということではない。」

「”土台づくり”をこの会社の社員でいるための必須条件にしているわけではない。土台づくりをしないスペシャリストパスもある。しかし”土台づくり”をしない場合には、対お客さんに対して、あなたが提供できるバリューは個人として提供できるボリュームの域を出ない。個人プレーとチームプレーではやはりサービスボリュームに差が出る。ボリュームは売上に比例する。なので、必然的に”チーム”で多く稼ぐ人よりは個人プレーヤーより給与は多くなる」

また、マーケットに評価を求めればいいんだよという助言をいただいて、こうも考えた。

「チームビルドにおいて、自己の評価を行う判定者の種類は、今までの”お客さん”、の他に、”組織”、”社内の協業者”というふうに全方位的になる。その360度評価により、より多方位的で客観性の高い評価を知ることができる。客観的にスキルポートフォリオを認識し改善•強化の方向性を探ることは、定年後に腕一本で働き続けるための事前準備として有効である。なぜなら、案件獲得というのは多くの場合、信頼関係を基礎とした営業力の成果であるため、今の時点からマーケットにおける自身の価値や強み弱みを適切に認識することは、将来に向け必要な対策を打つための効率的なインプットになるからだ。

私は組織のために働きたいという想いは1mmもないので、会社のために売り上げを増やせ、そのためにチームを作れ、というロジックには(会社員なのに)腹落ちできなかったのだけど、視点を外に向ける、つまりお客さんのためになる、自分の目指す姿のための有効なスキルアップにもなると考えると結構納得感のあるロジックが出来て、チームビルドの意義を見出せるようになった。なんなら今はチームビルド、改めて頑張りたいとすら思っている。

こういう検討に対して、そもそもノトがワガママで世間知らずだ、そもそもサラリーマンとは会社の利益のために貢献するコマなのである黙って従えみたいな根性論を言う日本人がいそうだが(私の周りにはいないけど)、しかしコンサルみたいに個人商店が集まっている組織や、ベトナム人みたいに会社組織に属する習性が非常に希薄な人達にも効果な動機づけだと思う。だからきっと誰かいわゆる典型的な組織人でない人にも役立つtipsになるんじゃないかと思います。

年の瀬(こちらは旧正月が正月)にモヤモヤを解消できてよかった。これで、管理職の意義見つけた、うまくやるから来年度昇進させろと堂々と上司にネゴれる。最初からこう言ってくれれば良かったんですよ…とは言わないでおこう。そういう生意気な余計な一言を言わないようにするというのも今回学んだ。もう「若くて健気なおねーちゃんが毒を吐いている」と取られなくなり、代わりに「小煩いババアが喚いている」と取られるようになったことに気づいたのです。

でもさ、最後に一言言わせてもらうと、人間性を向上させ部下に優しくってのは管理者へのアドバイスとしてやっぱ適切ではないと思うんですよね。そんなこと言われても管理職の存在する本質を気付けない。それに組織の上に行けば行くほど、人は意地悪で策士でなければ務まらないんだからさ。

 - ベトナムをゆく

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