あの鐘を鳴らしたのはあなた ~コンサルがPTAに乗り込んでみた~
いつもブログ更新をしようという気持ちは頭の片隅にあり、思いついたことをメモったりしているのだが、そのメモがどこにいったかわからなくなり、目につかないと忘れ去られ、そしてまた定期的に思い出しては文章化するというのがルーティーンになってしまった。一応年明けの抱負に「ブログを5本くらいは書く」というのを毎年あげているのだが、去年は2本しか書かなかった。この進捗だと今年も同様のスピード感に違いない。年単位で更新をチェックされている固定愛読者がいるらしいのだが本当に申し訳ない。とはいえ実績が(今後も)伴わないので謝ることしかできない。
PTAの話に戻ろう。
春に盛大に啖呵をきりその後何が起こったかというと、一部のPTA会員たちが私以外の学年代表に猛攻撃を初めて、私の預かり知らぬところで揉めに揉めていた。何で揉めていたのかは未だに詳細知らないが、とにかく「全てが不安だ」みたいなクレームがたくさんきたとのことだった。「たくさん」とは聞いたが数件なのか数十件なのかわからない。夏休み前に「みんなの声に耳を傾けて欲しい」と突然学年代表の一人から言われ、公立中のPTAまで私の名前が噂になっているとコメントしにくい嫌味を言われ、とにかくよくわからないが事態収集を図ろうととりあえず緊急招集し、改革を提案したことで混乱を招いたことを謝まらせられ、「改革は保留にします」と宣言させられた。私としては就任時に良かれと思って色々提案してみたものの、こんなに原因不明の炎上すると思わなかったし、公立中のPTA役員まで話を持って行って炎上を楽しんでいるやつもいるし、無償労働に汗水流す熱量がそもそもそんなになかったので、めんどくさいからやめちゃお~と無責任にもそそくさと全てを諦めたのであった。
ところが自体はこれで収束しなかった。知ってか知らないでかPTA改革派の新任校長が「PTAはなくても学校運営はまわります」とクラス委員の仕事を独断でほぼゼロにしてしまった。つまり、私が「改革は保留にします」と宣言した1か月後くらいに、改革の全てを校長が完了してしまった。実はこの校長は前任の学校でもPTA界隈を焼け野原に仕上げてきた猛者であったのだ。更に、仕事をほぼ0にするだけでは飽き足らず、「来年も一層親の負担を薄くしていきます」と宣言していたー。
なぜ校長がクラス委員のPTA活動を限りなく0にしてしまったかというと、5月に私がクラス委員長になったあとすぐ、36人(1学年6人)のクラス委員保護者全員にPTA活動をどうしていきたいかアンケートをとって、「保護者の叫び集」を作成しそれを校長に渡していたからである。その「保護者の叫び集」の7割くらいは強制労働を割り当てられる保護者の困惑コメントやネガティブコメントで溢れており、またこのような改革を進めてくれて大変感謝しているという励ましのコメントに満ちていた。(改革反対派は1割弱)おそらく学校史上初めての保護者側からの陳述書であった。これが恣意性のない重い事実として鎮座し、校長による直接的な改善の動機、または合理性のあるきっかけとなったようだった。
ちなみにクラス委員の仕事を減らすことにPTA役員は基本的に反対であったようだった。その理由はわからない。単純に変化に対する抵抗かもしれないし、新参者(私)が大暴れして改革など受け入れられないという心象的なものもあったと思う。しかし校長は鶴の一声で無くしてしまった。案外学校も親に仕事振るの面倒なのかもしれない。私が校長だったら部下の先生にPTAの面倒見させる仕事増やしたくないしな。実際どこでもPTAってもめてるし。
陳述書をまとめていた時分、私は鬼退治に行く桃太郎のような心意気であったのだが、実は桃太郎は校長で、私は桃太郎を拾った老人側だったのかもしれないと今は思う。(もしくは桃) そして校長は鬼ヶ島で民主主義の鐘を盛大に鳴らした、それも2回くらい余計に。
校長がすべての仕事を限りなく0にしてしまったあと、我々はやることがなくなってしまった。無理に仕事を作ることもないので沈黙していたら、「委員長はすべてをボイコットしている」というということでPTA不在扱いとなっているとのことだった。必要な連絡やレビュー業務はレスポンスよく行っており全く事実ではない。まったくどこまでいっても子供のいじめのようである。そういうわけで辟易して、もうPTAには金輪際関わりたくないと、来年度のPTAから退会することを学校に伝えた。(引継ぎ資料作成があるので明日からではなく来年度からということにした)副校長から確認の電話が来たが、引き留めても無駄と思われているのか「手続きしておきますね」であっけないほどスムーズに私のPTA会員は終了することとなった。一度やめてしまうと、なんであんなくだらないいざこざに能動的に巻き込まれにいっていたんだろうと思う。自動入会させる学校がそもそも悪いのであるが、自動入会させられた後に強制ルールなどに悩んでいるなら、そこからさっさと退会すればよかったのだ。後ろ指さされるとか、噂になるとか、自分には協調性がないんじゃないかとか気にする必要はない。PTAへの認識でソリが合わない時点でその人達と関係性が深まる要素は既にないし、協調性を発揮する集団は自分で選べばいい。無責任と言われるかもしれないが、強制加入・労働強要の違法行為が先に糾弾されるべきである。
あっけなく終わってしまったPTA戦記であった。とはいえ私の最初で最後のPTAターン、年初の宣言通り、要らない仕事を(校長が)一掃して、成果を達成できたことはよかった。5月に立候補してメンチ切ったときに拍手してくれた保護者たちや、大演説で援護射撃してくれた知らない保護者に報いることができた。今年の4月には、春の風物詩「保護者PTAトラブル」を対岸から眺めよう。
そしてPTAで悩んでいる人がこのページにたどり着いたならば、あなたがやることはただ一つ、PTA退会である。改革なんて面倒なことはしなくていい、今すぐ退会するのです。そして私と対岸の火事を眺めましょう。