ノバティカルクロニクル 迷ったら 歩いてみよう ベネチア編
2014/09/09
初の一人旅、キヨミズの舞台から飛び降りるチキンさながらのガクブル状態、緊張で胃痛、まず目的地に辿り着くことが最初の難関。
持てるクレジットカード全て握りしめ(でも肝心のキャッシングできるのは直前に申し込んだ1枚)、あらゆる交通機関で平静装いながら、乗り継ぎ飛行機遅延しようものなら隣の哀れな旅行客に「遅延ですね」と不安を一方的に共有しつつ無事ホテルまで到着。なぜか会社に遅れる夢を見る。
さて、ベネチアに着たもののベネチアが島らしいというのを知ったのはつい先週のことで、とりあえず島泊は高いようなので島じゃないほうに泊まることに。日も昇った、さあどうやって島に行くのか。どうする私?歩くか?これはつまりランナーでよかったということか。イタリア語のメモを握りしめホテルのフロントに聞きに行く。結局30分近く英語で世間話の末、バスで行けとのこと。OK great thanks ciao!!
さて、外国でバスに一人で乗ったことがないノト。バスだと?待てばくるのか?どこで乗るのか?フロントの人いわく”just on your right ?????? the street” ストリートのどこだって?右ってどっちから見て右?
とりあえず道に出てバス停らしきものを探す。嗅覚たよりにベネチアはあっち方向だからこの車線だろう。バス停らしきものを見つける。とりあえずそのへんにいるとバスが来た。前に並んでたおねーちゃんに続く。あれ、乗車口は向こう?ここは・・降車口。初めてのバス、不覚の無賃乗車。島の端っこあたりのバスターミナルに着く。終点だから降りるところで迷いようがない。
さて、移動は行き当たりばったりだが、旅の目的は料理。ヴェネト州(このへん)のおいしい伝統料理を出すレストランに予約を入れてありこの点は用意周到。イタリア語で必死にメールを書いて予約を取り付けたのだ。なんとしても辿り着かなければならない。ちなみに一生懸命書いたメールの返信は”ok see you on 14th” (英語)私の努力もうちょっと労ってくれてもいいと思う。
結論から言うと2時間半迷って辿り着けなかった。翌日発覚したのだが(ホテルのフロントで世間話ついで)、まず方向が違った。時計で言うと2時と8時くらい違った。じりじりとした日照りのなか地図をもって彷徨うノトに3人の親切な現地人が道を教えてくれようとしてきた。何を言っているかよくわからないが聞き取ったのは「遠い」とのこと。いや、近いはずだぞ?私のグーグル検索スキル甘く見てるな?
わけがわからないままランチのタイムリミットを迎え、不本意ながらもゲームオーバー。この時点で自分がどこにいるのか定かではなかったため、まず自分”位置”探しを始める。人のたくさんいるところに出て、運河に面した水上バス乗り場と地図を照合する。時計でいう4時と8時くらい違っている。これも後で判明するのだが、バスを降りた直後、目の前にあったそこらへんの小さな水路をノトはなんとメインの運河ととりまちがえた。つまり、初めて見た水路をメインの運河と認識し、それを基準に進行方向を模索していたのだ。ヒヨコか。
自分の位置を初めて正確に把握し、新しく詳しい地図を買って(持っていたのはホテルでもらったしょぼいやつ、だが文句は言えない)、残りの時間の戦略を練り直す。そのへんでジェラートを買い、オーダーをイタリア語で試すが途中で聞き取れなくなり英語に。最初はなんでも難しい、しょうがない。1ヶ月しか勉強してなのでそもそもそんなこと言える立場でもない。でこのジェラートがまったく感動もんではない。コンビニのPARMレベル。フレーバーをケチってる。GROMのほうがおいしい。GROMはここにもあるが東京にもある。かなり高いが東京で食べても同じ味がする。金は世界を歪ませる。
結局、ディナーにむけて行きたかった候補のレストランを探すことに。こちらはなぜか返信がなかった店なので諦めかけていたが、急遽現地乗り込み作戦を決行する。わかる、道がわかる。初めてスマホでGPS*を使ったときみたいなかすかな感動を覚える。(*一部のPJT関係者へ:GSPではない)
難なく店にたどり着き、予約をいれて(完全に英語)、ディナーまで時間があるのでまた彷徨う。偶然スーパーを見つけたので物色する。ハムとチーズの物価が日本の1/4くらいだ。種類も多い。東京のイタリアンレストランは軒並みおいしいけど、品質維持に莫大な投資しているんだなぁとつくづく思う。正直なところ、異国の地のものを日本で維持するために多大な投資を継続することに疑問を感じないわけではない。まぁこのへんはおいおい考えを深めていきたい。この疑問に少しでも自分なりの解を見いだすのも今回の旅のゴールの一つ。
さて、待ちに待ったディナー。前菜なしでキノコのパスタを副菜に、ご当地料理のイカスミのポレンタ添えを主菜に。パスタは、ほんのちょっとのローズマリーで香りをつけた、香り高いオリーブオイルがきいて、これはいいなと思った・・が、ん?しょっぱい?パスタ自体がしょっぱい。こういうもん?で次イカスミ。これがもう、なんでこうなったと思うくらいしょっぱい。風味に感想入れる隙もない。このまま白いご飯にかけて丼の具になるレベル。付け合わせのポレンタももれなくしょっぱい。お弁当の卵焼きくらいしょっぱい。結局8割残す。ウェイターの笑顔が引きつる。でも理由を聞いてこない。聞こうよ。これにカラフェのワインを入れて40ユーロ。東京感覚だが30だとまぁそうだなーという感じ。40はー、、高い。
いつも満席だけどみんなおいしいと思っているのかなあ。土地柄リピーター少ないからもってるのだろうか。昨日まで初一人旅でガクブルだったのも忘れ、つれがいなくてよかった、受難を強いるところだったと前向きにとらえ安堵。
帰りもバスでホテルへ。出発前に、バス停の名前をフロントに聞いてたものの、「バス停に名前はない、(ホテルの前の)あの青い鉄橋を目印にして、あれが見えたら降車ボタンを押せばいい」とのこと。しかし夜で青もなにもその鉄橋自体が見えない。ここはもう勘に頼るしかない。で勘に頼って無事到着。
勘頼りに進む私が言うのもなんだが、ベネチアの人たちはバス停に名前をつけたほうがいい。あとあの島を区画で区切って番号つけたほうがいい。(って思うのは日本人だから?)
つづく
※ノバティカル=ノト+サバティカル休暇