ノトニクル

ノトがベトナムのどこかをうろつきます。

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あるベトナム的な一日

      2018/02/20

先日近くの公園に散歩に行ったら、テト(旧正月)の直前だったのでテト用の観葉植物が公園内でたくさん売られていた。テトの観葉植物にも年ごとにトレンドがあるらしくて、今年はマリーゴールドみたいな菊と、加工前からお盆の精霊馬みたいな形をしたカボチャ等がたくさん売られている。たまに向日葵とかもあって、もう黄色か赤であればどんな植物でもいいのだろうか。見て回っていると、突如、気持ち悪いドラゴンフルーツツリーが出現した。3年くらいベトナムにいるが初めて見た。なんと形容していいのかわからないが、邪悪ささえ感じる趣味の悪さである。

ドラゴンフルーツの果実が重ならないように数本の幹を束ねてツリーに形成しているのだけど、果実の付いている場所に従って個々の幹を選りすぐって束ねているとは思えない。(ベトナム人はそんな細かい作業はしない)なので、先に複数の幹を育てて束ねて並ぶように結実させていると思うのだが、幹に何か刺激を与えたら結実したりするのだろうか?ちなみに、このドラゴンフルーツは薬漬けで食べられないとのことだった。たわわに実った果実を幹中につけて期待値を上げておいて、実は食べれませんだなんて、なんだか損した気分になるのは私だけではないですよね?

公園をぐるっと回り、小腹が減ったので屋台で青マンゴーのチリソルト和えを買って食べる。大きめのプラスチックカップにぎっしり入ったマンゴーに、売り子のおっさんがチリソルトを入れてシェイクして出来上がり。1カップ2万ドン(100円)。日本だとマンゴーは甘くて柔らかいものしかないが、こちらは甘くて柔らかいマンゴーのほうがむしろ亜流で、硬くて酸っぱいマンゴーに唐辛子と塩砂糖と味の素を混ぜたチリソルトをつけて食べる。ぽりぽりとした食感で、マンゴーの酸っぱさとチリソルトの辛味、ほんのりとした甘味がよく合う。日本でのポジション的にはキュウリの味噌マヨとあたりで、主食でも間食でも前菜でもない存在であるが、一種のつまみとしての確固たるポジションを確立している。こちらに来た当初は変な食べ方だなあ思っていたのだけど、食べるうちにはまっていって、今では自分でマンゴーを買ってきてオリジナルチリソルトのぽりぽりマンゴーを作るまでになった。すごく美味しいものでは決してないのだけど病みつきになってしまう。誰かが「中途半端に美味しいものは脳がすぐに満足出来ないので、何度も何度も確認に食べてしまう、そして味の記憶がはっきり残らない。だからまた何度も確認に買ってしまう。ご当地土産のお菓子類はとびきり美味しくではなく、中途半端に美味しく出来ているのはそのためだ」と嘘か本当かわからない都市伝説的なウンチクを語っていたけど、このぽりぽりマンゴーはその最たるもので、食べても食べても満たされず、でもなんだか美味しかったような気がしてまた作って食べてしまう、そういう類のものです。もしくはただ単に味の素中毒かもしれないけど。

さて、家に帰って夕飯を用意するのが面倒になって来たので、そのまま屋台で飲み食いすることにして、焼きバンチャン(Bánh tráng nướng)も買って食べる。1個1万ドン(50円)。生春巻きの皮に、うずらの卵であえたハム、干しエビ、万能ネギなんかの具を置いて、そこにチリソースをかけ網で焼く。見た目おいしそうでしょ?でも味は入れた具の組み合わせそのもので、想像の域を超えません。

このあたりの屋台商売は、商品単価は1万ドンから2万ドンくらいのレンジで、軒並みおそらく粗利が1個5,000ドンくらいだと踏んでいる。設備投資も力車等々入れて1万円くらいで、人件費は自分が暇な時にやるので算入しないとして、一日100個売って一日の純利益は2,500円、月20日働けば5万円になる。利益率を上げて販売個数を上げれば倍の10万円も夢じゃない。安定的な継続性を度外視し、ホーチミン市の平均給料が月300ドルであることを考えると、もしニートになった時に暫定的な暇つぶしとしてやるのはあながち悪くない商売ではないか?もし仮に自分が店を出すことになったら、商品はドラえもんケーキ(どら焼き)→たい焼きアイス→たこ焼き・・・と妄想は広がる。でもその力車をうちのマンションでは置かせてくれないだろう、置かせてくれたとしても駐車代で利益吹っ飛ぶだろうということで企画倒れになる。

お腹がいっぱいになったので家路につく。帰り道、いつもは何もない歩道に皿の青空市が開催されているのを見つける。私は皿やら鍋やらのキッチンアイテムに目がないので、もちろん物色する。そしたら早々にittalaのディナープレートを2枚発見。新品なら日本で1枚小売価格4,000円する皿だ。売っているおじさんに値段を聞くと、皿の裏のブランドをまじまじと見て、1枚4万ドン(200円)とのこと。その確認意味あったのか?このディナープレートの他、ラーメン丼2つ(600円)と香蘭社の小皿2つ(200円)も買って、全部で1,000円だった。一番の安物のラーメン丼が2つで600円なんて値付がおかしいと旦那さんに言うと、重量で計算しているのでそうなるとのこと。納得感があると言えばあるし、ないと言えばない。

↑戦利品

食器は日本食レストランで使っていたようなものばかりで、聞けばもとは日本に住むベトナム人が日本から中古品を輸出してベトナム国内で販売しているらしい。おそらく日本国内で潰れた日本食レストランから激安でまとめて買い取って売っているのだろう。日本国内に住むベトナム人が、こういう中古の食器や電化製品を大量にベトナムに輸出しているビジネスは結構あるそうで、税関にコネを持って賄賂で話をつけて膨大な関税を免れつつ、日本で売る2−3倍くらいの価格で売って利益を得ている。私もこういう商魂を見習い、副業でお金が入ってくる仕組みを作って老後に向けて財を成したいものだけど、このブログすらまともに更新出来ないので副業など夢のまた夢であります。

 - ベトナムをゆく

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